「私には、何もない」
そう思っていた時期がありました。
自信も、誇れるスキルも、特別な何かも持っていない。
SNSを開けば誰かの成功が目に飛び込んでくる。
それを見ては、ため息をついて。
「ああ、やっぱり私とは違うんだ」
そんなふうに、勝手に線を引いては、心の中でそっとつぶやいていました。
「持っていない」は、思い込みだった
でもある日、ふと気づいたんです。
何もなかったわけじゃなかった。
私は、私の中にあるものを「見ようとしていなかった」だけだった。
それは、まるで目の前の光を自分で遮っていたようなもので。
誰かと比べては、足りないところにばかり目を向けて。
持っているものを、何ひとつ数えようとしていなかった。
でも、あったんです。ちゃんと。
──たとえば、誰かの言葉に耳を傾けた夜。
──たとえば、泣きながらも、朝起きて職場に向かった日。
──たとえば、「もう無理」と思ってから、もう一歩だけ前に出た瞬間。
「それが何になるの?」と思うかもしれない。
でも、それこそが“持っている”証だったんです。
「証明しなきゃ」と思っていた自分へ
「数字で見えなきゃダメ」
「実績がなきゃ認められない」
「スキルがないと、存在する価値もない」
そんなふうに、いつの間にか“証明”ばかり求めるようになっていました。
でも、よく考えたら、
誰が私にそんな条件を突きつけたんでしょうか?
本当は、私が自分自身に課していたんですよね。
周りに“何者かである自分”を見せつけるために、
私が、私をずっと不合格にしていた。
あれが足りない。
これじゃ足りない。
じゃあ、いつになったら自分に「OK」を出せるの?
そう問い直したとき、はじめてわかったんです。
私はずっと、存在そのものを否定していたんだって。
「小さな自分」を拾い上げるところから
本当はね、
たとえ今、何も成し遂げていなくても、
何かを諦めた過去があっても、
うまくいかない自分にがっかりしていても、
そのすべてを抱えながら、
それでも生きているってことが、もう十分すごいことなんです。
誰にも褒められなくていい。
誰にも認められなくていい。
まずは、自分が自分に「よくやってるよ」と言ってあげる。
その瞬間から、世界は少し変わって見えてきます。
それでも、あなたが歩いてきた道は、ちゃんと“ある”
今日ここまで、来たんです。
つらい日も、逃げ出したくなった日も、いっぱいあった。
でも、今ここにいる。
その事実だけで、十分じゃないですか?
「何もない」んじゃない。
「ありすぎて、見えなくなっていただけ」だったんです。
あなたの中には、
確かに、小さくても強い“光”がある。
ただ、それに気づいていなかっただけ。
私も、まだまだ道の途中です。
でも、「ないもの」じゃなく「今あるもの」に目を向けてから、
確実に、少しずつ進めるようになりました。
──だから、あなたもきっと大丈夫。
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