朝、目が覚めて──
SNSを何気なく開いた瞬間。
目に飛び込んできたのは、あの子の“近況報告”。
「ついに、自分のお店をオープンしました」
眩しすぎて、思わず画面を閉じた。
なぜか胸の奥が、ズキッと痛んだ。
「すごいなぁ」
「私も、いつかは…」
そんなふうに思いたいのに。
気がつけば、ため息と一緒にこうつぶやいていた。
──「また今日も、私は何も変われてない」
やりたいことは、ある。
変わりたいって、何度も思ってきた。
なのに、動けない。
「言い訳ばっかりだな…」って、自分で自分にガッカリしてしまう朝。
そのたびに、心のどこかで
“あきらめ”が、少しずつ根を張っていくのを感じていた。
「言葉」で、人生は静かに変わり始める。
私たちは、毎日、無意識のうちに
自分に、たくさんの言葉をかけています。
「私なんて」
「どうせ、無理だし」
「また、失敗するかも」──
何気ない“ひとこと”の積み重ねが、
気づかぬうちに、
これからの未来を決めているとしたら。
もし今、
「どうせ私なんて」が口ぐせになっているとしたら──
変われるはずの未来も、
きっとそのたびに、遠ざかってしまうんです。
でも、気づいてほしいんです。
それなら、“その逆”を口にすればいいだけだって。
「私だから、できる」
「どうせ、できちゃうし」
「また成功しそう」──
自分を信じる言葉は、
未来の景色さえ、やさしく塗り替えていくんです。
この“自分にかける、肯定的な言葉の習慣”を、アファメーションといいます。
アファメーションとは──
「こんなふうに生きていく」
「こんな自分になる」
そんな“未来の自分”になったつもりで、先に言葉を声にしてしまうこと。
いわば、やさしい自己暗示のようなものかもしれません。
でもそれは、「無理やり信じ込ませる」ためのものではありません。
“言葉の力”で、自分の内側にある思い込み(=セルフイメージ)を、
少しずつ書き換えていく方法なんです。
アファメーションって、「もっと簡単でいい」。
アファメーションというと、難しく考えてしまいがちです。
特別な言葉じゃなきゃダメなんじゃないか?
ちゃんと唱えなきゃ意味がないんじゃないか?
──でも、それは違います。
本当に大切なのは、言葉の“正しさ”ではなく、
その言葉に、“今のあなた”が少しでも心を傾けられるかどうか。
だから、こうでいいんです。
- 「なんか、うまくいきそうな気がする」
- 「今日も頼られちゃうかな」
- 「私、意外と役に立つし」
響く言葉は、人それぞれで構いません。
背伸びせず、心にフィットする“やさしい一言”を見つけてください。
そして──できるだけ「声に出してみて」ください。
たとえば──
誰かに聞かれるのが恥ずかしくて、声に出せない日もあるかもしれません。
「こんな言葉、言う資格ないよ」
「自分にはまだ早い気がする」──
そんなふうに、心がそっとブレーキをかけてしまうこともあると思うんです。
でももし、ほんの少しだけ勇気が出せたなら。
その言葉を、あなたの声で、あなた自身に届けてあげてください。
「耳から入った言葉」は、ただの音じゃありません。
それは、音楽に泣いてしまうような、
誰かのひとことで心が救われるような、
感情に届く、“音の魔法”なんです。
だから、特別な準備なんていりません。
たとえば、朝の支度をしているとき。
鏡の前で髪をととのえているとき。
スマホを開く前の、ほんの5秒でいい。
「なんか、うまくいきそうな気がする」
「今日も頼られちゃうかな」
──その一言を、どうか、自分にかけてあげてください。
あなたのその声が、未来のあなたを迎えに行ってくれる。
「続かない自分」を責めなくていい。
「アファメーション、また続かなかった」
「気づいたら、やらなくなってた」──
そんな朝があっても、大丈夫です。
できなかった日があることよりも、
「また始めよう」と思えたことの方が、よっぽどすごいんです。
だってそれはもう、
あの頃の“諦めていたあなた”とは、まったく違うから。
アファメーションは、「うまく続けるための習慣」じゃありません。
“未来を生きる自分”に、何度でも戻っていける習慣なんです。
だから、途中でやめてしまったっていい。
忘れてしまったっていい。
思い出した瞬間から、また始めればいいんです。
「今日も、ちゃんと起きられたね」──それだけで、大丈夫。
朝、目が覚めて。
「また今日が始まるのか」って、ため息が出る日もあると思います。
動きたくないし、昨日の続きに戻るのもしんどい。
でも、そんな気持ちを抱えたままでも──
ちゃんと目が覚めた。起き上がれた。
それだけで、ほんとはすごいことなんです。
だからまずは、自分に声をかけてあげてください。
「今日も、ちゃんと起きられたね」って。
それが、あなたの中で
最初に芽を出すアファメーションになるから。
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