「自分本位と自己中心的って、同じじゃないの?」
そう思ってきた方もいるのではないでしょうか。
実際、私自身も長いあいだこの2つを混同していました。
「自分を大事にする」という言葉すら、どこか“ワガママに振る舞うこと”だと受け取っていたのです。
けれど本当は──「自分本位」と「自己中心的」はまったく違います。
その境界線を知るだけで、人との関わり方も、自分との向き合い方も、ぐっと楽になるんです。
この記事では、その違いを整理しながら、日常でどう使い分けていけばいいのかをお伝えします。
自分本位と自己中心的の基本的な違い
「自分本位って、自己中心的と同じじゃないの?」
そう思ってしまう方も少なくありません。
私自身も、ずっと同じ意味だと勘違いしていました。
だから「自分を大事にする」と聞いても、どこかワガママのように感じてしまったんです。
けれど、本当はこの2つは大きく違います。
- 自分本位:自分を基準に選ぶが、相手も視野に入れている
- 自己中心的:自分を基準にして、相手を完全に無視する
一見似ていますが、決定的に違うのは「相手のことを考えているかどうか」。
この線引きを知るだけで、“自分らしくあること”の意味が変わってきます。
自分本位と自己中心的が混同されやすい理由
「自分本位」と「自己中心的」は、言葉としては似ています。
だからこそ、実際の場面では混同されやすいのです。
よくある誤解の背景は3つあります。
- どちらも「自分を基準にしている」ように見える
- 他人に譲らない瞬間が「ワガママ」に映りやすい
- 日本文化では「相手を優先する」ことが美徳とされている
特に日本では「和を乱さない」ことが重視されます。
そのため「私はこうしたい」と伝えるだけで「自己中だ」と誤解されてしまうのです。
心理学的にも、人は「自分の意見を貫く人」に脅威を感じやすい傾向があると言われています。
けれど、それは本来「自分本位」と「自己中心的」の違いを正しく見ていないだけ。
たとえば、何人かの友人と旅行の計画を立てているとき。
自分の「ここに行きたい」という希望を伝える場面を想像してください。
- 自分本位:自分の行きたい場所を伝えたうえで、相手の行きたい場所も聞いて一緒にプランを立てる
- 自己中心的:自分の行きたい場所だけを優先し、相手の希望は取り入れない
同じ「行きたい場所を伝える」でも、そのあとにどう行動するかで意味はまったく変わります。
違いを理解するだけで、誤解から自由になり、自分らしい選択がしやすくなります。
自分本位は「自分を持つこと」
「自分を出したら、嫌われるんじゃないか」
そう思って、つい自分の気持ちを押し殺してしまうことはありませんか?
私自身も、長いあいだ「ワガママだと思われたくない」と心を閉ざしていました。
でもそれでは、周りは私の本当の姿を知ることができなかったんです。
思い切って「ここに行きたい」と伝えたとき、相手からも「じゃあ午後はここに行こう」と返ってきた。
その瞬間にわかりました。
自分を出すことは、自己中心的なんかじゃない。むしろ、お互いを知るきっかけになるんだと。
心からの言葉は、人に深く響きます。
だからこそ、怖がらずに、自分を出してみてほしいんです。
大切なのは「相手を尊重する気持ち」を忘れないこと。
そのうえで、ありのままの自分を表に出してみてください。
勇気のいることだけれど、少しずつ自分自身への見方も変わり、
周りとの関わり方も、きっと自然に変わっていきます。
自己中心的は「相手がいない世界」
「自己中心的」とは、ただ自分の意見を持つことではありません。
相手の存在を前提にせず、自分のやり方だけを押し通す状態のことです。
私が歯科衛生士として働き始めた頃、こんな経験がありました。
「このケア方法が一番いいから、必ずやってください」──そう強くすすめすぎて、患者さんの生活リズムや状況を無視してしまったのです。
結果、患者さんが通院をやめてしまったこともありました。
若い頃はそれが「正しい」と信じて疑わなかったのですが、今振り返れば相手がどう感じるかは見えていなかった。
まさに「相手がいない世界」で、自分の基準だけで動いていたのだと思います。
その後、患者さんと向き合うことを意識するようになってから、ある方に言われました。
「別の医院では一方的に“これをやれ”と押しつけられて嫌な気分になった。ここではちゃんと話を聞いてくれて安心する」と。
同じ「アドバイスをする」でも、
- 自分本位:相手の状況を考慮しながら伝える
- 自己中心的:相手の事情を無視して押しつける
一見「自分のやり方で進められた」と思えても、その裏側で相手の気持ちが離れていくことがあります。
たったこれだけの違いで、受け取られ方も関係性も大きく変わってくるもんなんですよ。
自分本位と自己中心的の違いを日常で見極めるコツ
違いを理解しても、いざ日常に戻ると「これって自己中心的かな?」と迷う瞬間が出てきます。
そこで私が意識しているのは、たったひとつのシンプルな線引きです。
それは── 「相手を尊重できているかどうか」。 たとえば、
- 友人と食事に行くとき
「このお店行きたい」は自分本位。でも「このお店以外はいかない!」は自己中心的
- 家族との時間
「今日はカレーが食べたい」は自分本位。でも「家にあるもので作れるなら」と返せば関係が深まる
小さな場面で「相手を尊重できているかどうか」という基準を持つだけで、驚くほど関係が楽になります。
──もし「自己中だと思われるのが怖い」と感じているなら、この線引きを参考にしてください。
自分を出す勇気が、きっと少し持ちやすくなるはずです。
自分本位と自己中心的の違いを知るだけでラクになる
私は長い間、「もっと人に合わせなきゃ」と思っていました。
自分の意見を言うと「自己中心的だ」と嫌われるんじゃないかと、怖かったからです。
でも「自分本位」と「自己中心的」の違いを理解してからは、自分を責めなくなりました。
「相手を尊重しているなら、それは自己中心的じゃない」
この気づきだけで、人との関わりがずっと軽くなったんです。
自己表現は「わがまま」ではなく「健全な自己肯定」。
むしろ本当の信頼関係は、自分を持ちながら相手も尊重する姿勢から生まれるのだと思います。
- 自分本位=自分を基準に選ぶこと。相手を尊重している
- 自己中心的=相手を無視して、自分だけを優先する
似ているようで、決定的に違います。
「自分本位」は、むしろ自分を大切にしながら他人も尊重するための土台です。
相手を尊重しつつ、自分の基準を持って選べる人。
それが本当の意味で「自分を生きている人」なのだと思います。
ここまで読んでくださったあなたは、すでに「自分を大切にする」一歩を踏み出しています。
自分を大切にするというのは、
「自分で選んだことに責任を持つ」ということなんです。
その最初の形として「自分で始める場所=ブログ」を持つのは、とても有効です。
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