「伝えたいことがあるのに、言葉が出てこない」
「いつも後になってから、あれ言えばよかったって思う」
「本音を言ったら、嫌われるかも……」
そんなふうに感じて、気づけば“言わない”選択を繰り返してきた人へ。
まず伝えたいのは、
本音を伝えるのが苦手なのは、あなたが繊細で、優しいからだということ。
ただそれだけなんです。
自分を守るために、言わない選択をしてきただけ
人にどう思われるか。言ったことで空気が悪くならないか。相手を否定しているように聞こえないか。
そうやって、“自分の気持ち”より“相手の気持ち”を優先してきたからこそ、あなたは人に好かれてきたし、トラブルも少なくやってこれた。
でもそのやり方では、自分の中の声がどんどん小さくなっていく。
その結果、
「言いたいことがあるのに、言えない」
「伝えるってどうすればいいのか、もうわからない」
という状態に陥ってしまう。
でもね、それは“苦手”なんじゃなくて、“慣れていないだけ”なんです。
本音を伝えるって、わがままじゃない
よくある誤解のひとつに、
「本音を伝える=自分勝手になる」
という思い込みがあります。
でも、本音を伝えるというのは、“自分を正直に差し出すこと”であって、誰かを押しのけることではありません。
たとえば、「今はちょっと疲れているから、静かにしていたい」と伝えるのは、相手を否定しているわけではなく、
“自分を大事にしている”だけ。
わがままっていうのは、「相手がどう感じるかなんて知らない。自分が言いたいことを言う」こと。
本音を伝えるのは、「相手とどう関わりたいか」を考えてるからこそ、言葉を選んで、勇気を出して、踏み出す行為なんです。
伝えるのは“戦う”ことじゃない
本音を伝えるって、ケンカでも、ぶつかることでもありません。
整えてから、静かに手渡すもの。
言葉にならないもやもやを、まずは自分の中で受け止めて、「私はどうしてこれを伝えたいんだろう?」と問いかけてみる。
感情に流されて言葉にするのではなく、感情を“観察”したあとで、自分の言葉に変えていくんです。
このプロセスがあるだけで、伝えることはずっと優しくなります。
自分の気持ちに、“意味”を与えてあげる
もし今、「本音を伝えるのが苦手」だと感じているなら、いきなり上手くやろうとしなくて大丈夫です。
まずやってほしいのは、「自分は今、何を感じているのか?」を言葉にしてみること。
たとえば、
- 今、話す気分じゃないな
- さっきの言い方、ちょっと引っかかったな
- 本当はもっと頼りたかったのにな
こういう“心のつぶやき”を、日記でも、スマホのメモでも、誰にも見せない場所に書いてみる。
すると、だんだん「自分の気持ちってこういうものなんだ」という感覚が育ってきます。
自分の気持ちに“意味”を与えてあげること。そこから、“自分の言葉”が生まれてくるんです。
「なぜ伝えたいのか」から始めてみる
うまく伝えようとすると、どうしても言葉が硬くなる。
でも、伝えるって、そもそも“気持ち”なんです。
だから、伝え方よりも大事なのは、「なぜ、これを伝えたいのか?」
それが見えてくると、言葉は自然に整っていきます。
「わかってもらいたい」
「同じことが起きてほしくない」
「ちゃんと気持ちを届けておきたい」
その“理由”に立ち返ること。
それが、本音を伝えるうえでのいちばんの支えになります。
小さな場面から、練習してみる
いきなり大事な相手に本音をぶつける必要はありません。
たとえば、
- 信頼できる友達に「今日ちょっとしんどかった」と言ってみる
- コンビニで「袋いりません」とはっきり伝えてみる
- SNSで自分の小さな気持ちを正直に書いてみる
そうやって、“自分の気持ちを声に出すこと”に慣れていく。
その小さな積み重ねが、
「伝えてもいいんだ」
「私は私の言葉を持っていいんだ」
という自信に変わっていきます。
「嫌われるかも」より、「自分を嫌いになりたくない」を選ぶ
本音を伝えるのが怖いとき、一番大きいのは“相手の反応”への恐れです。
でもそのたびに自分の気持ちを押し殺していると、少しずつ、自分との信頼が壊れていきます。
「わたしは、わたしの味方でいたい」
そう思えたら、伝えるときの言葉は、自然とやさしくなります。
たとえうまく伝わらなかったとしても、それでも「自分の本音を裏切らなかった」という実感は、あなたの心を確かに強くしていきます。
本音を伝えるって、特別なスキルじゃない
いま本音が伝えられないのは、あなたがダメだからでも、弱いからでもない。
これまで、そうしてくるしかなかっただけ。
でも、ここから先は違います。この記事に辿り着いて読んでいるあなたなら、少しずつ、自分の気持ちに言葉を与えていけるはずです。
本音を伝えるというのは、自分に嘘をつかずに生きていくための、小さな革命です。
その一歩を踏み出せるのは、この記事に辿り着いた、あなただからこそ。
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