朝、目が覚めた瞬間から、もう疲れていた。
目覚ましを止める手が、妙に重たくて──
そのまま布団の中で、ぼんやり天井を見つめていた。
「また、始まっちゃったな」
「どうせ、今日も変われないよね」
そんなつぶやきが、頭の中に流れ込んでくる。
やりたいことは、ある。
変わりたい気持ちだって、ちゃんとある。
──でも、動けない。今日もまた。
昨日と同じ自分が、目の前に立っていて、
それを変えられなかった自分に、そっと絶望していた。
「どうせまた同じでしょ」って、もうあきらめていませんか?
気づかないうちに、心の中でこんな言葉をくり返していませんか?
「また途中で投げ出すに決まってる」
「私には、どうせ無理なんだよ」
「結局いつも、三日坊主で終わるんだから」
──そのつぶやきが、
朝の一歩を、そっと止めているかもしれません。
でも、それって本当に「あなたのせい」でしょうか?
もしかしたら。
今のあなたを動かしているのは、
“昨日までのセルフイメージ”──つまり、「自分への思い込み」かもしれません。
「私は頑張れない人間だ」
「変わりたいけど、変われたことなんて一度もない」
そう決めつけることで、
自分を守ろうとしていたのかもしれない。
だって、期待しなければ、傷つかずに済むから。
でも、もう気づいているはずです。
「また今日も、変われなかった」──そんな朝を、いくつ迎えたでしょう
アラームを止めて、もう一度目を閉じた。
「あと5分だけ」って思っていたのに、気づけば30分。
慌てて飛び起きたときには、すでに心がざわついていて。
鏡の前で、思わずつぶやいたんです。
「今日も、なんかダメだな」
「また昨日と同じ顔してる」
「どうせまた、うまくいかないんでしょ?」
本当は、ちゃんとやりたかった。
少しでも変わろうって、決めたはずだった。
なのに──
続かない自分に、がっかりして。
動けない自分を、責めて。
そのくせ、心のどこかであきらめてる。
「変われたらいいのに」
「でも、私なんかじゃ、きっと無理だよね」
──そうやって、何度も何度も
“期待しない自分”になろうとしてきたんじゃないでしょうか。
でも、もし今あなたがこの記事にたどり着いているなら。
本当はまだ、心の奥で「変わりたい」って願っている証拠です。
その気持ちこそが、
“昨日まで”のあなたとは違うという証です。
朝は、“まだ何も決まっていない時間”です。
たしかに昨日、うまくいかなかったかもしれない。
さっきまでベッドの中で、現実から目を背けていたかもしれない。
でも──
朝って、本来「リセット」できる時間なんです。
心も体も、まっさらな状態に戻れるチャンスなんです。
しかもこの“朝”という時間には、
セルフイメージ(=自分への思い込み)を書き換えるための
「入り口」が、ちゃんと用意されています。
たとえば、まだ言葉を発していないうちに
何気なくつぶやいた言葉が、その日の自分を決めてしまうように。
たとえば、「今日もきっとムリ」と思った瞬間から、
目の前の世界が、どこか暗く見えてしまうように。
朝の5分は、その日1日を左右する“起点”です。
だったら、その5分だけでも
“理想の自分”を選んでみませんか?
演じてもいい。無理やりでもいい。
「私は、こう在りたい」
その自分を、たった5分だけ“先に生きてみる”。
それだけで、
昨日までと少し違う選択ができるようになります。
本当に小さなことからで構いません。
「顔を上げて外に出る」でも、
「背筋を伸ばして歩く」でも、
「“ありがとう”を口にする」でも。
その行動が、“セルフイメージの書き換え”になります。
では、ここからは実際に──
「今の自分」から「理想の私」へ、朝のうちに一歩ずつ近づく方法をお伝えします。
これまで何度も“変わりたい”と思ってきたあなたへ。
「でも、いつも途中でやめちゃうし…」と感じているあなたへ。
今日からできる、小さな3つの習慣を試してみてください。
小さな習慣1. 理想の私を“思い出して”、もう一度見つめる
たとえば──
これまでのどこかで
「こんなふうに生きていけたら」と、ふと心に浮かんだ瞬間はありませんか?
うまく言葉にはできなくても、
ぼんやりと“なりたい私”のイメージがよぎったこと。
でもそれは、忙しさの中で──
いつの間にか、置き去りにしてしまっていたのかもしれません。
その想いを、どうか一度、ノートに書いてみてください。
実際に“手で書く”という行為が、心の深いところに届いてくれます。
書き出すのは、朝じゃなくても大丈夫。
気持ちと向き合える時間に、ゆっくり取り組んでみてください。
そして、それを朝にひらいてみるのです。
理想の自分になったつもりで、静かに目を通してみてください。
「ノートに書いた通りになった」
そう思える日が、きっと来るはずです。
……そんな未来の私を思い描いたまま、
次はその想いを、静かに“言葉”にしてみましょう。
小さな習慣2. アファメーションを唱える
目を閉じて、ゆっくり深呼吸して。
そして──
“理想の私”なら、どんな言葉で今日を始めるだろう?
その言葉を、自分に向けて語りかけてください。
たとえばこんなふうに:
「私は、自分を信じて進んでいける」
「私は、大丈夫。ちゃんと選べる」
「私は、今ここから始めていい」
最初は気恥ずかしくても、言葉の力は少しずつ心に届きます。
そんな言葉を胸に、今度は──
目の前の朝に、そっと“向き合って”みてください。
小さな習慣3. 朝の光を浴びながら、「今ここ」を受け入れる
窓を開けて、空気を入れ替えて。
顔に朝日が当たるその感覚を、しっかり味わってみてください。
何もできなかった昨日も、
やる気が出ない今日も、
ぜんぶ含めて──
「それでも、生きてる自分」をちゃんと感じること。
それだけで、
“今のあなた”が、ちゃんと進んでいる証拠になるんです。
「変われない朝」から、すべてが始まる。
変わりたい。
でも、変われない。
その狭間でもがいていたあなたが、
それでも「朝だけは」と思って読んでくれたこと。
きっと、それがもう──“最初の一歩”なんです。
セルフイメージは、魔法みたいには変わりません。
でも、毎朝たった数分、“理想の私”に触れる時間があれば、
その積み重ねはやがて、人生の土台をゆっくりと書き換えていきます。
大丈夫。
今のあなたのままで、始めていいんです。
どうか今日も、
あなた自身を“責めるための朝”ではなく
“育てるための朝”として、迎えられますように。
本当に気になったら、このページも覗いてみてください。
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