「なんかうまくいかない」
「頑張ってるのに、空回りしてる気がする」
「もう、どうしたいのかも分からない」
そう感じるときって、たいてい頭の中がとても騒がしい。 でもその“うるささ”に気づかないまま、毎日を過ごしてしまう。
ふだんの生活のなかで私たちは思っている以上に、 心の中で“自分との会話”をしているんです。
たとえば、買い物をしているとき── 「これ欲しいけど、無駄遣いかも」「似たようなの持ってたかな…?」 と、小さな葛藤が浮かびます。
誰かに誘われたとき── 「ほんとは行きたくないけど、断ったら悪いかな」 と、自分の気持ちと相手の気持ちの間で揺れたり。
頼みごとをされたとき── 「本当は忙しいのに、断れない自分がいるな」 と、またひとつ自分にプレッシャーをかけてしまう。
そんなふうに、何気ない毎日の中で、 私たちはたくさんの“自分との会話”を繰り返しているんです。
「嬉しいけど、なんか素直に受け取れない」
「ほんとは行きたくないけど断れなかった」
「怒らせちゃったかも、どうしよう」
こうした“心の声”に気づけないまま動き続けていると、 だんだん「本当はどうしたかったのか」がわからなくなっていきます。
感情が整理できないのは、あなたが弱いからじゃない
感情がうまく整理できないと、自分を責めてしまいがちです。
「私って、こんなことでいちいち揺れるなんて弱いな」とか、
「もっと強くならなきゃ」とか。
でも違うんです。
感情が整理できないのは、あなたがダメだからじゃない。 むしろ、“ちゃんと生きてきた証拠”です。
- 空気を読んできた
- 人の期待に応えようとしてきた
- 迷惑をかけないように気を配ってきた
そうして積み重ねてきた「他人軸」が、 あなたの中の“本音の声”をかき消してきたんです。
だから、まず必要なのは強くなることじゃない。 “自分の声を聴きなおす力”を取り戻すことなんです。
自分の中で何が起きているのかに気づく
心がごちゃついているときって、 「外の出来事」にばかり目がいって、自分の感じたことを後回しにしがちです。
でも本当に大事なのは、外ではなく“内側”。
- 嫌だと思ったのに、笑ってごまかしてしまった
- ほんとは頼りたかったのに、「大丈夫」と言ってしまった
こんなふうに、自分の感情を無視し続けると、 やがて「自分の本音がどれか」すら見えなくなります。
だからまずやってほしいのは、 「私は、今どう感じた?」と問いかける習慣を持つこと。
感じてはいけない感情なんて、ひとつもありません。
どんなに小さな気持ちでも、 どんなに矛盾した感情でも、 「今、私はこう思った」と気づくだけで自分との関係がぐっと近づきます。
感情は、敵じゃない。あなたを守る“サイン”です
私たちはよく、「感情をコントロールしよう」「抑えよう」とします。 でもそれは、“悪者”として扱っている証拠でもあります。
でも、感情って本来は、 「あなたが何を望んでいて、何がつらいか」を教えてくれる“案内板”みたいなもの。
たとえば、
- イライラするのは「もう限界だよ」のサイン
- 寂しいのは「誰かに話を聞いてほしい」のサイン
感情は“あなたに必要なもの”を知らせようとしてるんです。 それを無視するたびに、本音は遠ざかっていく。
だからまずは、敵対しないこと。 「どうした?」って、耳を傾けてみること。 それが、自己理解の第一歩です。
書き出すことで、自分の気持ちが“見える”ようになる
頭の中だけで考えていると、感情はどんどん複雑になります。 だから、「書く」ことがとても有効です。
- 今日、どんなことに反応したか?
- 何にモヤっとしたか?
- なぜそのとき悲しかったのか?
正解を書こうとしなくていい。 読み返さなくてもいい。 ただ、今の自分の感情を言葉にする練習として、 書く習慣を持ってみてください。
たとえばある人は、「仕事中に“手が遅い”って言われて傷ついたけど、ほんとは自分が“認めてほしかった”だけなんだって気づいた」と、書いたことで初めて本音が見えたと話してくれました。
書いているうちに、「本当はこう思ってたんだな」「この言葉が引っかかってたんだな」と、少しずつ“気づき”が浮かび上がってきます。
感情を押し殺してきた人ほど、うまくできないのは当たり前
もし書いてみて、「よくわからない」「何も出てこない」と感じたら、 それはあなたが“今まで丁寧に自分を守ってきた”証拠でもあります。
たくさん我慢して、たくさん空気を読んで、 人に合わせて、がんばってきたからこそ、 本音をすぐに出すのがむずかしいんです。
だから最初は、「なんかしんどかった」だけでもいい。
うまく言葉にできなくても、 自分の感情に近づこうとするその姿勢が、 “自分との信頼”を取り戻していきます。
本音がわかると、選べるようになる
自分の気持ちがわかると、 「どうすればいいのか」に悩む時間が減っていきます。
なぜなら、本音がわかると、 「何を我慢していて、どこに向かいたいのか」が見えてくるから。
そうすれば、 「今の私は、これを選びたい」 「まだ無理だけど、いつかこうしたい」 といった“小さな選択”ができるようになります。
そしてその選択が、 自分の人生のハンドルを、 自分の手に取り戻すことにつながっていきます。
この記事に辿り着いたあなたなら、大丈夫です
この記事をここまで読んでくれたということは、 きっと、今の自分とちゃんと向き合おうとしている証拠です。
そしてそれは、誰にでもできることではありません。
どうか信じてください。 「気づこうとしているあなた」には、人生を変える力がちゃんとあることを。
私自身、ここまで来るのに時間がかかりました。 何度も立ち止まって、悩んで、でも少しずつ進んできました。 だからこそ、あなたには遠回りしてほしくない。
この記事に辿り着いたあなたなら、できます。 ほんとうに、大丈夫です。
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